思い込みの力
新学期スタート
別れと出会い、そして春期講習へ
結果にコミットする塾?
間違える力
教え子の一人に、堂々と間違えてくれる子がいます。
もちろん間違えてくれる子はたくさん、というか全員ですが、
「堂々と」間違えてくれる子はそんなに多くはいません(笑)。
多くの子は自信なさそうに間違えるか、
「わかりません」でごまかすか、
間違うことを恐れて口を閉ざしてしまうかです。
そんな中で、本気で考えて「堂々と」間違えてくれる子は、
教える立場の人間にとっては、実にありがたい存在です。
というのは、「堂々と」間違えてくれることで、
その子との議論が始まります。
その子は、本気で自分が正しいと思い込んでいるので、
その子をどうやって納得させるかと私の頭もフル回転。
結果、私の説明力までも磨いてくれるからです。
その子とはリビングで授業をしているので、
親御さんにも当然聞こえているはずですが、
決して口を挟んでくることなく、
そのやりとりをいつも楽しんでいるようです。
先日、NHKのSONGSという番組で歌手の小沢健二さんが、
日本人は「間違えない力」を付けようとするあまり、
「間違う力」を失っているといったことを話していました。
「間違ってはいけない」という思いが強すぎて、
間違うことを極端に恐れている人が多い。
だから「間違えない力」を備えた高学歴の人ほど、
英語が話せない人も多い、とも。
私にとってはちょっと耳の痛い話でしたが、
確かにその通りだなと思いました。
「間違ったら叱られる」
「間違ったら恥ずかしい」
そんな思いにがんじがらめになって、
貝になってしまっている生徒、たまに見かけます。
私はよく子供たちに、
「今のうちにいっぱい間違っておきなさい!」と言っていますが、
一度貝になってしまった生徒の心を解きほぐすのは本当に大変です。
テストで点数を取るためには、
どうしても「間違えない力」が重視されがちですが、
社会に出て本当に必要とされるのは、
実は「間違える力」を持った人間なのかもしれませんね。
子供たちの「間違える力」を、
大事に育ててあげたいなって思います。
時間が解決してくれることもある
体験授業のときはずっとそっぽを向かれていました。
中2の女の子、きっと反抗期でもあったのだと思います。
親御さんが言うには、
今までも家庭教師をやった経験はあるそうですが、
ことごとく先生のほうから断られてきたそうです。
私の場合は自分から断るということはありませんが、
体験授業の様子から、きっと断られるだろうと思っていました。
でも予想に反して「お願いします」というお返事を頂きました。
ちょっと重い気持ちを抱えながらも、
これも神様に与えられた試練(チャンス?)かと思い、
お引き受けすることにしました。
でも今だから言えますが、
最初の1か月は私にとって地獄でした(笑)。
「これやってみて」と言って渡したプリントは、
とりあえず仕方なさそうにやってはくれますが、
私の説明に対しては、全く聞く耳を持たず完全無視。
「これではやっても意味がないのではないか」
「こんな授業で月謝を頂くのは申し訳ない」
そんな思いが何度もよぎりましたが、
意味があるかないかは私が判断することではなく、
生徒や親御さんが判断することだと思い直し、
とにかく淡々と授業をやり続けることにしました。
何か特別なことをしたわけではありませんが、
決まった曜日の決まった時間に、
淡々と授業を続けていくうちに、
少しずつ、少しずつ、
私の問いかけに対して反応してくれるようになりました。
いつの間にか明るく挨拶してくれるようにもなり、
帰り際に手を振って見送ってくれるようにもなりました。
初めて会ったときは、
「これは長くは続かないだろう」と思っていたその子とも、
気付いてみれば、4年以上という長い付き合いとなりました。
最初はあまりうまくいきそうにない関係であっても、
逃げずに根気よく付き合っていくことで、
いずれ時間が解決してくれることもあるということを、
この子は教えてくれました。
この子に出会ったおかげで、
一見やる気のなさそうに見える生徒に対する、
私の見方、考え方は大きく変わりました。
これはやはり神様が私に与えてくれた、
試練でもありチャンスでもあったのだと思います。
意識の差
例えば本を読んでいて、
よくわからない言葉や表現に出合ったとき、
精神的に成熟している人は、
自分の知識のなさ、読解力のなさを自覚します。
わからない言葉は辞書で調べて覚えようとし、
機会があれば自分も使えるようになりたいと考えます。
でも精神的に未熟な人は、「わからん」のひと言で済ませ、
それ以上わかろうとする努力もせず、挙句の果てには、
「こんなわかりにくい文章を書くほうが悪い」
と他者に責任を転嫁します。
大人でもこんな人、たくさんいますよね。
勉強でも同じことが言えると思います。
先生の説明がよくわからなかったとき、
精神的に成熟した生徒は、
自分の理解力のなさを自覚して、
自分がその説明を理解できる人間になろうと努力します。
でも精神的に未熟な生徒は、
「先生の説明が悪い」と文句を言うだけで、
それ以上自分からは何もしようとしません。
そうやって学年が進んで行くうちに、
それが大きな学力の差となって、
表れてくるのではないかと思います。
「もう一度小学校の勉強からちゃんとやり直したい」
過去の高校生の教え子が、こんなことを言っていました。
これだけ聞くと、
きっと勉強が苦手な生徒の発言だと思いますよね。
でも実際のところ、
その子は学年でもトップクラスの成績で、
さらに部活でも国体の選手に選ばれるほどの、
私から見れば、まさに「スーパーガール」でした。
そんな優等生の彼女が、なぜこんな発言をしたのか。
その真意は、
点数は取れていても自分の知識はまだまだ穴だらけ。
だからその穴をしっかり埋めたうえで大人になりたい。
そんな思いが常に心の中にあったそうです。
まさに「無知の知」の領域といったところでしょうか。
彼女は東京の某有名大学を卒業し、
今はキャビンアテンダントとして活躍しています。
自分の無知を自覚できる謙虚な心。
学力の差は、能力の差というよりは、
やはり意識の差が大きいような気がします。
ただ私自身も、自分の指導力のなさを、
生徒の未熟さのせいにする未熟な指導者にならないよう、
気をつけなければいけませんね。

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不登校という選択
不登校の生徒さんを指導させて頂く機会もあります。
病気が原因の場合もあれば、いじめが原因の場合もあります。
また、本人もよくわからない原因不明の場合もあるようです。
病気が原因で学校に行けなくなった子は、
中1まではとても活発で成績優秀な子でした。
中2で病気が発覚してから学校に行けなくなり、
中3の春から私との勉強が始まりました。
学校には行っていませんでしたが、
もともと学力も高く、学習意欲も高かったので、
教えるにはほとんど苦労することはありませんでした。
定期テストだけは他の教室で受けていたそうですが、
1学期の期末テストでは5教科で460点を超え、
学校の先生も驚いていたようです。
ただ、学校に行っていないという理由で、
内申点はかなり厳しくつけられていたので、
公立の進学校は受けることが出来ず、
私立の高校に進むことになりました。
高校合格を機に彼女とはお別れになりましたが、
たまにくれたメールによると、
病気もすっかり治り、部活にも入り、
高校ではとても充実した生活を送ったようです。
いじめが原因で不登校になってしまった子もいました。
あまりの辛さに耐えられず、
死に場所を探して夜中に近所を徘徊したことがあると、
泣きながら話してくれたこともありました。
でもその子にとって唯一の救いはギターでした。
ギターを弾いている時だけは、
嫌なことを忘れられるということでした。
私との授業時間を使って、
ミニコンサートを開いてくれたこともありました.
ギターを弾いている時の彼は、とてもカッコ良く見えました。
彼は通信制の高校を卒業して、
今はミュージシャンの卵として活動しているようです。
きっと中学時代の辛い経験も彼の音楽の糧になっている。
そんな気がします。
どんなに真面目に生きていても、
本人の意思とは関係なく、
辛い目に遭わされる子供たちがいます。
でもどんなに辛い思いをしても、
今の自分に出来ることを一生懸命やっていれば、
いつか道が開けることを、この子たちは教えてくれました。
不登校は決して「逃げ」とか「負け」なんかではなく、
次のステップへのひとつの「選択」なのかもしれません。
人生いろいろ
昨年の2月、過去の教え子からメールが届きました。
「医学部を受験したいから数学を教えて欲しい」と。
彼は高校を卒業後、アメリカの大学に入りました。
その大学の卒業を機に、再び大学受験をする決心をしたそうです。
帰国して間もなく、私に連絡をくれました。
中高生の頃は、ちょっと生意気な所もあった彼ですが、
帰国後の彼は、とても謙虚な好青年に変わっていました。
きっと異国の地での生活を経て、精神的に成長したんだなと思います。
医学部を受験するなら、私より予備校のほうがいいのではと言いましたが、
ブランク期間が長いため、今の状態で予備校に行ってもお金の無駄。
まずは独学で基本をしっかり整えてから予備校を考える、ということでした。
ただ、数学だけは独学では難しいからということで、私に連絡をくれたそうです。
なるほど、受験の厳しさもよく心得ているようです。
さっそく私との勉強をスタートして、今年の3月まで約1年間勉強しました。
さすがに医学部への道は厳しく、1年での合格とはいきませんでしたが、
あとは予備校の先生の力を借りながら、
来年は必ずや合格を手にしてもらうことを願っています。
24歳での大学受験。
もし自分だったらと考えると、精神的にも経済的にも到底無理な話ですが、
彼は親御さんに何度も頭を下げて、もう1年だけという約束で、
この挑戦を許してもらったそうです。
人よりちょっとだけ回り道をした分、
周りへの感謝の気持ちと、
いつか恩返ししなければという強い気持ちを持って今は頑張っているそうです。
親に反抗ばかりして迷惑をかけてきた私とは大違いです(笑)。
来年彼が合格したとしても、お医者さんになれるのはさらに6年後。
まだまだ道は長いですが、自分が苦労してきた分、
きっと将来は、人の気持ちがわかる、
心優しいお医者さんになってくれるのではないかと信じています。
うらやましい
インターナショナルスクールに通っている生徒と、
なぜか不思議と縁があります。
今も教え子に1人います。
当然のことですが、彼女たちは英語がとても堪能。
受験のための英語しか勉強してこなかった私からすると、
ネイティブな発音が自然に出来る彼女たちの能力は、
本当にうらやましい限りです。
過去に受け持った生徒は、その英語を武器にして、
私には到底入れそうにない、とある有名大学に合格しました。
やっぱりうらやましい限りです。
そんな彼女たちに私が教えられるのは、
もちろん英語以外の教科ということになるわけですが、
そんな彼女たちも英文法となるとあまり得意ではないようで、
be動詞だの一般動詞だのと言われても、いまいちピンとこないようです。
おもしろいものですね。
そんな彼女たちから英語の発音を教えてもらいながら、
彼女たちに英文法を教えている私。
何とも不思議な授業風景です(笑)。
【札幌の家庭教師 学びの森】 サワダと申します。
by sawayoshi45
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